君が好き。2～大好きな彼と結婚する方法～

「…やっぱり大貫さんには勝てそうにありません」

心からそう思う。だって大貫さんは圭吾さんが初めて本気で好きになった人だから。

「それは私も同じですよ？私も櫻田さんには勝てそうにないです。だってあの圭吾と結婚する人なんだから」

そう言って笑う大貫さんにつられて、私も初めて笑ってしまった。

「実は、出張に来る前に圭吾さんと喧嘩しちゃったんです」

「え…そうなんですか？」

「はい。いつまでも過去に囚われている圭吾さんが許せなくて。それで酷いこと言っちゃいました。頭では分かっていても、心がそれを許してくれなくて。どうしたらいいのか分からなくなっていたんですけど、今ならどうしたらいいのか答えが分かります」

「…そっか」

大貫さんの言うように、忘れなくていいんだよね。いつまでも二人の過去に嫉妬しててもいいんだ。…大事なのはその気持ちをどうするか。

「いいですね、喧嘩できるって」

「え…？」

「だってそれだけお互いちゃんと好きってことじゃないですか。だから喧嘩も出来る。…私は圭吾が好きすぎて多少のことには我慢しちゃったかな？……よく考えると一度も圭吾と喧嘩したことなかったかも」

「一度もですか！？」

意外すぎて思わず大きな声が出てしまった。