「それからの私はもう頑張るしかなくて、今思い出すと笑えちゃうくらい明るく圭吾に接してました。どんな時もそばにいて、なにをやるにも一緒で。…そうしたら、圭吾も私のことを好きになってくれて。
あの時は本当に嬉しかった。誰とでも簡単に関係を持っちゃう圭吾が、私だけを好きになってくれて、大切にしてくれているのが伝わってきて。毎日が幸せで仕方なくて。…だからきっと言えなかったんだと思います。将来について両親と喧嘩が絶えなかったことが」
初めて聞く圭吾さんと大貫さんの過去に、私はなにも言わずただじっと聞いていた。
「ずっとやりたかったデサイナーの夢をとるか、夢を諦めて圭吾との幸せな毎日を取るか。…悩んで悩んで。それで私は結局両方選んだんです。どちらかだけなんて選べなくて。…でも最後まで圭吾に言えなくて。勝手に思っちゃってたんです。離れたって圭吾も私のように好きでいてくれるって。
隣で幸せそうに笑っていてくれる圭吾には言わず、勝手に信じちゃってまるで夜逃げみたいに日本を出ました。
今思えばなんであの時、ちゃんと圭吾に待っててねって言えなかったのかなって思います。…そうしたらきっと違う未来があったんだろうなって。…ね?本当、私の決断って間違いだらけなんです」
「大貫さん…」
あの時は本当に嬉しかった。誰とでも簡単に関係を持っちゃう圭吾が、私だけを好きになってくれて、大切にしてくれているのが伝わってきて。毎日が幸せで仕方なくて。…だからきっと言えなかったんだと思います。将来について両親と喧嘩が絶えなかったことが」
初めて聞く圭吾さんと大貫さんの過去に、私はなにも言わずただじっと聞いていた。
「ずっとやりたかったデサイナーの夢をとるか、夢を諦めて圭吾との幸せな毎日を取るか。…悩んで悩んで。それで私は結局両方選んだんです。どちらかだけなんて選べなくて。…でも最後まで圭吾に言えなくて。勝手に思っちゃってたんです。離れたって圭吾も私のように好きでいてくれるって。
隣で幸せそうに笑っていてくれる圭吾には言わず、勝手に信じちゃってまるで夜逃げみたいに日本を出ました。
今思えばなんであの時、ちゃんと圭吾に待っててねって言えなかったのかなって思います。…そうしたらきっと違う未来があったんだろうなって。…ね?本当、私の決断って間違いだらけなんです」
「大貫さん…」



