「私が圭吾と出逢ったのは大学時代なんです。優とは中学時代の友達で高校は別々だったんですけど、何度も遊んでいました。それで大学生になって優の友達を紹介してもらって。それが圭吾と剛だったんです。優に聞いていたけど本当に圭吾の女癖の悪さは酷くて。友達としては最高だけど、彼氏としては絶対無理なタイプだなって思っていたんです。…だけど、一緒に過ごしていて惹かれちゃったんですよね。
たまに寂しそうにしていたり、無理して笑っていたり。気付いたらいつも圭吾のことばかり考えちゃってて。もしかしたら圭吾って本気で恋愛したことないのかなって思ったりして。なら私が！って変な野望が出ちゃったんですよ」

なんか大貫さんらしいな。その考え方。

「ある日大学内で女性と揉めてて、珈琲をかけられたところを偶然目撃しちゃったことがあるんです。もう本当に放っておけないって思っちゃって。勝負に出ました。…私が圭吾に本気の恋愛教えてあげるって。絶対私のこと好きにさせてみせるから付き合ってって。もし付き合ってみて好きになってもらえなかったら、またちゃんと友達に戻るからって」

「……」

そうだったんだ。…最初はそうやって付き合ったんだ。
それで圭吾さんも大貫さんのことを好きになったんだね。