「櫻田さんが作ってくれたなら問題ないでしょ?印鑑押してあるから戻しちゃっていいよ」
そう言いながらも副社長の目はガイドブックに釘づけ。
あの日から副社長の様子はいつもと変わらない。相変わらず何考えているか読めないし、からかってくるし、冗談言ってくるし。だから拍子抜けしちゃっている。
本当はこんな時に副社長と二人で出張なんてどうしようって思っちゃったんだけど、関係ないわよね。仕事として行くわけだし、部屋も別。
それに副社長は呑気にガイドブックなんて見ているけど、観光なんてする余裕はないくらいぎっちりとスケジュールが埋まっているんだから。
「分かりました」
書類を手に副社長室を出る。
圭吾さんとはあの日から連絡を取っていない。
二人はなにも言わないけど、きっとどちらか圭吾さんに私が家にいることを伝えてくれたんだと思う。
三日経ってもどうしたらいいのかなんて分からずにいる。
分かっているのは、やっぱり私は仕事を辞めたくないってこと。
でもそれじゃダメなんでしょ?
ならまだ帰れないよ。…圭吾さんと一緒になんて暮らせない。
「…仕事しないと」
だからって仕事を疎かにするわけにはいかない。
気を引き締めパソコンに向かった。
ーーーーーー
ーーー
「…あら、今日はもう上がりなの?」
「うん、月曜日から出張だしね」
定時に上がり更衣室に行くと、既に亜希子がいて着替えているところだった。
「そういえばそうだったわね。…行くの?北海道」
「…当たり前じゃない。仕事だし」
ロッカーの鍵を開けて着替え始める。
そう言いながらも副社長の目はガイドブックに釘づけ。
あの日から副社長の様子はいつもと変わらない。相変わらず何考えているか読めないし、からかってくるし、冗談言ってくるし。だから拍子抜けしちゃっている。
本当はこんな時に副社長と二人で出張なんてどうしようって思っちゃったんだけど、関係ないわよね。仕事として行くわけだし、部屋も別。
それに副社長は呑気にガイドブックなんて見ているけど、観光なんてする余裕はないくらいぎっちりとスケジュールが埋まっているんだから。
「分かりました」
書類を手に副社長室を出る。
圭吾さんとはあの日から連絡を取っていない。
二人はなにも言わないけど、きっとどちらか圭吾さんに私が家にいることを伝えてくれたんだと思う。
三日経ってもどうしたらいいのかなんて分からずにいる。
分かっているのは、やっぱり私は仕事を辞めたくないってこと。
でもそれじゃダメなんでしょ?
ならまだ帰れないよ。…圭吾さんと一緒になんて暮らせない。
「…仕事しないと」
だからって仕事を疎かにするわけにはいかない。
気を引き締めパソコンに向かった。
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「…あら、今日はもう上がりなの?」
「うん、月曜日から出張だしね」
定時に上がり更衣室に行くと、既に亜希子がいて着替えているところだった。
「そういえばそうだったわね。…行くの?北海道」
「…当たり前じゃない。仕事だし」
ロッカーの鍵を開けて着替え始める。



