君が好き。2~大好きな彼と結婚する方法~

「どうするって…。勿論すぐに断ったわよ?…でも」

そう言いかけた時、インターホンの音が鳴り響く。

「ごめん、圭吾さん帰ってきちゃった。また明日話すから」

『え…ちょっと櫻田さん!?』

話も途中になってしまい申し訳なく思いながらも、そのまま電話を切り、急いで玄関へと向かう。
そしてドアの前で深く深呼吸し、鍵を開ける。

「ただいま、菜々子」

すぐに聞こえてきた大好きな人の声。

「おかえりなさい」

そうよ、これからは毎日圭吾さんと一緒にいられる。なにかあってもすぐにこうやって会える。目と目を見て話すことが出来る。前とは違うのよ、きっとなにがあっても大丈夫に決まってるわ。

「悪いな、結局遅くなってしまって」

「いいえ、お疲れ様でした」

一緒に並んでリビングに行き、圭吾さんはスーツを脱ぐ。受け取ろうと思い手を差し出すが、圭吾さんはなぜか驚いた顔を見せた。

「いいよ、これくらい自分でできるから」

「そんな…。これくらいやらせて下さいよ。…ちょっと憧れだったんですから」

自然と脱いだスーツを預かるなんて、きっと女だったら誰だって憧れちゃうシチュエーションよ。

「分かったよ。じゃあお願い」

「…はい!」