君が好き。2~大好きな彼と結婚する方法~

「圭吾さんかも」

急いでリビングへと向かい相手を確認するが、残念ながら圭吾さんからではなく電話の相手は橘さんからだった。

「…出ずらいな」

きっと気になって電話をかけてきたんだろう。
昼間そんなわけないと啖呵を切った手前、非常に出ずらい。だって橘さんの言う通りになってしまったんだから。

そんなことを考えているうちも電話は鳴りやまず鳴り響く。

どうせ明日には聞かれちゃうこと。
諦め通話ボタンを押すと、すぐに橘さんの大きな声が聞こえてきた。

『やっぱり私の勘は大当たりだったんでしょ!?』

まだ私はなにも言っていないというのに、いきなり確信をついてきた。

声だけでも想像できる橘さんの勝ち誇ったように笑うあの顔が。

「…私まだなにも言っていないんだけど」

だけどすぐに認めちゃうのもなんか負けた気がして、そんなことを言ってしまった。
まあ、完全に負けている事実は変わらないんだけど。

『あら、そんなの聞かなくても分かるわ。櫻田さんがなかなか電話に出なかったのが証拠よ。出ずらかったんでしょ?昼間、私にあんなことを言ってしまった手前』

本当、よく私のことを理解してくれている友達で助かるわ。

「さすがは橘さんね。……橘さんの言う通り副社長に告白されたし、どうやら圭吾さんもそれを知っていたみたい」

『やっぱり!!で?どうするのよ、あなたは』