私の手を掴んだまま口元に持っていくと、チュッとわざと音を立てて手の甲にキスを落とす。
その行為に私の体温は一気に上昇し、バッと手を引っ込めた。
「…そ、そんな困ります!…副社長の気持ちは嬉しいですけど、私には圭吾さんがいますから!」
そうよ、なのになんで手の甲にキスなんてされちゃってるのよ!
そうは思っていても、意外すぎる相手からの告白に戸惑いを隠せない。
「だからさっきから言ってるじゃない。それでも全力でいくからって」
「…っ!」
そう言われてしまったら、どう返したらいいのか分からないじゃない。
「それに人の気持ちなんて変わるものでしょ。…それを一番よく知っているのは櫻田さんなんじゃないの?」
「え…」
「知ってるよ。昔の大貫さんと東野君の関係を。以前大貫さんから聞いたからね」
そう言うと私から離れ、ゆっくりと室内を歩き出す副社長。
「…最初はさ、東野君と櫻田さんの関係を疑っていたんだ。だから昔わざと二人で大阪まで行かせたしね。それでお見合いも断ってきたからうまくいったんだと思っていた。そうしたら断ったはずのお見合い相手が乗り込んできて、東野君と一緒に仕事がしたいって言い出して。…それで迷いなく東野君はニューヨークに行ってくれたし、櫻田さんは辞めちゃうし。だれがどう見ても東野君は大貫さんとうまくいったと思うだろ?…なのに数年経って君と結婚すると言い出した」
「それは…」
その行為に私の体温は一気に上昇し、バッと手を引っ込めた。
「…そ、そんな困ります!…副社長の気持ちは嬉しいですけど、私には圭吾さんがいますから!」
そうよ、なのになんで手の甲にキスなんてされちゃってるのよ!
そうは思っていても、意外すぎる相手からの告白に戸惑いを隠せない。
「だからさっきから言ってるじゃない。それでも全力でいくからって」
「…っ!」
そう言われてしまったら、どう返したらいいのか分からないじゃない。
「それに人の気持ちなんて変わるものでしょ。…それを一番よく知っているのは櫻田さんなんじゃないの?」
「え…」
「知ってるよ。昔の大貫さんと東野君の関係を。以前大貫さんから聞いたからね」
そう言うと私から離れ、ゆっくりと室内を歩き出す副社長。
「…最初はさ、東野君と櫻田さんの関係を疑っていたんだ。だから昔わざと二人で大阪まで行かせたしね。それでお見合いも断ってきたからうまくいったんだと思っていた。そうしたら断ったはずのお見合い相手が乗り込んできて、東野君と一緒に仕事がしたいって言い出して。…それで迷いなく東野君はニューヨークに行ってくれたし、櫻田さんは辞めちゃうし。だれがどう見ても東野君は大貫さんとうまくいったと思うだろ?…なのに数年経って君と結婚すると言い出した」
「それは…」



