「あっ、やっと戻ってきた。一体どこに行っていたの?」
副社長室に戻ると橘さんの姿はなく、副社長が呑気に珈琲を飲んでいるだけ。
「あれ…橘さんは?」
「とっくに戻ったよ。ただ二人に久々の職場でなにか困ったことはないか聞きたかっただけだしね」
「そうですか…」
てっきり橘さんがいるものだと思っていたから、急に副社長と二人っきりなんて、変に緊張してきちゃったじゃない。
さっきまでは副社長にちゃんと聞くから!なんて言ってしまったけど、今の私にはそんな勇気がない。
「では私は仕事に戻りますので…」
長居は無用。変に思われたくないし、まだ仕事も残っている。早く自分の席に戻ろうとしたとき
「東野君と久々の再会してたの?」
え…。
その言葉に足が止まり、振り返り副社長を見つめる。
「あ、知らないと思ってた?残念だけど知っていたよ?櫻田さんと東野君が付き合っているって」
嘘…本当に?いつから?
驚きのあまり言葉が出ない。
「それに近々結婚するってこともね」
そう言うと珈琲カップをテーブルに置き、ゆっくりと近づいてくる副社長。
「あの…副社長?」
いつもの笑顔はなくて、なんだか別人のように見えるのは私だけだろうか。
動きたいのに動けない。まるで金縛りにあっているかのように。
副社長室に戻ると橘さんの姿はなく、副社長が呑気に珈琲を飲んでいるだけ。
「あれ…橘さんは?」
「とっくに戻ったよ。ただ二人に久々の職場でなにか困ったことはないか聞きたかっただけだしね」
「そうですか…」
てっきり橘さんがいるものだと思っていたから、急に副社長と二人っきりなんて、変に緊張してきちゃったじゃない。
さっきまでは副社長にちゃんと聞くから!なんて言ってしまったけど、今の私にはそんな勇気がない。
「では私は仕事に戻りますので…」
長居は無用。変に思われたくないし、まだ仕事も残っている。早く自分の席に戻ろうとしたとき
「東野君と久々の再会してたの?」
え…。
その言葉に足が止まり、振り返り副社長を見つめる。
「あ、知らないと思ってた?残念だけど知っていたよ?櫻田さんと東野君が付き合っているって」
嘘…本当に?いつから?
驚きのあまり言葉が出ない。
「それに近々結婚するってこともね」
そう言うと珈琲カップをテーブルに置き、ゆっくりと近づいてくる副社長。
「あの…副社長?」
いつもの笑顔はなくて、なんだか別人のように見えるのは私だけだろうか。
動きたいのに動けない。まるで金縛りにあっているかのように。



