君が好き。2～大好きな彼と結婚する方法～

そしてドアの閉まる音が聞こえてきたと同時に思いっきり叩かれる頭。

「いたっ」

「なにやってるのよ！彼氏の前で堂々と浮気？」

「なっ！そんなわけないじゃない！あれはたまたまで…」

「たまたま？…もしかしていつもあんな感じで仕事しているの？傍から見たらいちゃついてるようにしか見えなかったんだけど！」

いちゃついてるって…！

「そんなわけないじゃない！副社長が出て行こうとするから、引き戻そうとしただけよ！」

「あら、少なくとも私と東野さんにはそんな風には見えなかったわよ？」

嫌味を込めまくりそう言うと、私を置いてさっさと給湯室に行ってしまった橘さん。

…やっぱり圭吾さんにもそう見えちゃったのかな。

「だけど本当、そんな気持ち私も副社長も微塵もないし！」

そう言いながら慌てて橘さんの後追い掛けるが、なぜか急に立ち止まる。
そして怪訝そうに私を見ながら振り返った。

「あなたって鈍感なの？さっきの副社長を見て確信に変わったわ。分からない？副社長はあなたのことが好きだって」

「……まっ、またその冗談？」

一瞬頭がフリーズしてしまった。だってまた橘さんがありえないことを言い出すんだもの。