君が好き。2~大好きな彼と結婚する方法~

「いや…その」

昔から口数の少なかったお父さん。
そういえば昨日からちゃんと話していなかった気がする。

「お父さん…また来るね」

昔は本当、お父さんなんて邪魔で仕方なかったのにな。今じゃこんなに大切な存在だよ。
少しは安心してくれたかな?圭吾さんを紹介できて。

「……圭吾君と幸せにな」

「え…」

お父さんらしくない言葉に驚いてしまった。
お父さんはというと、自分で言ったくせに照れくさそうに部屋へと戻っていってしまった。

「あらら。全く、お父さんったら…」

そう言って笑うお母さんに思わず圭吾さんと顔を見合わせてしまった。
そして笑う圭吾さん。目が「よかったな」って言ってる。

「…お母さん、お父さんにありがとうって言っておいて」

「…分かった」

ありがとう、お父さん。
ちゃんと圭吾さんとって言ってくれてありがとう。
それってお父さんも圭吾さんのこと気に入ったってことでしょ?

それをちゃんと言葉にして伝えてくれて本当にありがとう…。

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「わざわざ空港まで来なくてもよかったのに」

「ダメです。ちゃんとお見送りさせて下さい」

あれから特急で東京に戻ってきて、時間はあっという間に過ぎていき、もう圭吾さんが帰る時間になってしまった。

「あっという間だったな」

「…はい」

いつもよりは長い間一緒にいられたんだけどな。時間が過ぎるのは本当にあっという間だった。

いつものようにロビーで圭吾さんの隣に座り、搭乗アナウンスが聞こえるのを待つ。

「この前、もうこうやって見送りしてもらうのは最後だって言ったのに、最期じゃなかったな」

そう言って握りしめてくれる手。