君が好き。2~大好きな彼と結婚する方法~

「ほら、子供は菜々子一人だけじゃない?今だから言うけどお父さんね、本当は息子がほしかったのよ。だけど残念ながら生まれたのは女の子で。…もう一人産めたらよかったんだけど、どうも私の身体は流産しやすい体質でね。菜々子一人産むのも大変だったのよ」

「そうだったんだ…」

初めて聞いた、そんなこと。

「お父さん昔からお酒が好きでしょ?夢だったんだって。息子と一杯やるのが」

そう言うとお母さんはクスクスと笑い出す。

「菜々子から今日来るって連絡もらってからお父さんってば落ち着かなくてね。高いお酒何本も買ってきたり、普段見ないタウン情報誌で居酒屋探したり。きっとあれ、帰ってきてからも飲むつもりよ。東野さん潰れなければいいけど」

そうだったんだ…。お父さんってば…。

お母さんの話を聞いていると、自然と口元が緩んでしまう。

「さて、まだまだ帰ってきそうにないしケーキでもゆっくり食べて待ってましょ」

「うん…」

お父さんの気持ちは凄く嬉しい。…嬉しいけど圭吾さん、大丈夫かな…?

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「ただいま」

数時間後、夕飯の準備をお母さんとしていると聞こえてきたお父さんの声。

その声に急いで玄関へと向かう。

そこにはもう既にお父さんの姿はなくて、トイレの鍵を閉める音が聞こえてきた。

「圭吾さん、大丈夫でしたか!?」

いまだに玄関に腰かけている圭吾さんのもとに慌てて駆け寄る。