「そうか...同期なのか」
そう言うと木村さんは近くのボーイを呼び止め、ワインを二つ受け取ると一つを渡してくれた。
「すみません、頂きます」
私が受け取ると木村さんはゆっくりと歩き出す。
そんな木村さんの一歩後を私も歩く。
「橘君は実に的確で大杉君にも容赦なくてね。私から見てベストコンビだと思っていたよ。...だけどあっさり別の人と結婚しちゃって出産だもんな。驚いたよ」
確かに橘さんは副社長の扱いすごく上手だったって聞いていたし、そっか。他人の目から見たら、そんな風に見えてしまうのかもしれない。
「私としては大杉君は息子みたいな存在でね。...早く身を固めてほしいんだが、こればかりはなかなかうまくいかなくてね」
そのまま会場を抜け、全面ガラス張りの廊下から夜景を背に木村さんは困ったように笑う。
「...だけどまぁ、仕事は順調そうだしね。こればかりは縁あってのものだし、第一私が焦っても、本人はあの調子だしね。...聞いた?いまだに運命の相手がいるって信じているって」
「えっ...木村さんも聞いたんですか?」
「あっ。じゃあ聞いたんだね。...ロマンチストだと思うよ。あの歳でそんなことを言うんだから」
そっか...。副社長にとって木村さんは、そんなことまで話せる相手なんだ。
「でも私は素敵だと思います」
「え?」
木村さんを見つめ、思っていることを伝える。
「それに、私も信じちゃっています。...この世界には必ず運命の人がいるって」
私にとっての運命の人は、きっと圭吾さんだって信じている。
「...そっか。櫻田さんはその運命の人にもう出逢ってしまったんですね」
「......はい」
うん...。恥ずかしいけど正解だもの。もう私は出会ってしまった。
圭吾さんに。
「大杉君にも早くそんな人が現れるといいんだけどね。...あぁ見えてメンタル面が弱い部分もあるから
「副社長が、ですか?」
メンタル面が弱い?あの副社長が?
「あはは。信じられないかい?...意外と脆くて寂しがり屋なんだ。まぁ、男なんてみんなそんなもんさ」
「寂しがり屋、ですか...」
ちょっと信じられないけど、昔圭吾さんが言っていた言葉を思い出す。
そう言うと木村さんは近くのボーイを呼び止め、ワインを二つ受け取ると一つを渡してくれた。
「すみません、頂きます」
私が受け取ると木村さんはゆっくりと歩き出す。
そんな木村さんの一歩後を私も歩く。
「橘君は実に的確で大杉君にも容赦なくてね。私から見てベストコンビだと思っていたよ。...だけどあっさり別の人と結婚しちゃって出産だもんな。驚いたよ」
確かに橘さんは副社長の扱いすごく上手だったって聞いていたし、そっか。他人の目から見たら、そんな風に見えてしまうのかもしれない。
「私としては大杉君は息子みたいな存在でね。...早く身を固めてほしいんだが、こればかりはなかなかうまくいかなくてね」
そのまま会場を抜け、全面ガラス張りの廊下から夜景を背に木村さんは困ったように笑う。
「...だけどまぁ、仕事は順調そうだしね。こればかりは縁あってのものだし、第一私が焦っても、本人はあの調子だしね。...聞いた?いまだに運命の相手がいるって信じているって」
「えっ...木村さんも聞いたんですか?」
「あっ。じゃあ聞いたんだね。...ロマンチストだと思うよ。あの歳でそんなことを言うんだから」
そっか...。副社長にとって木村さんは、そんなことまで話せる相手なんだ。
「でも私は素敵だと思います」
「え?」
木村さんを見つめ、思っていることを伝える。
「それに、私も信じちゃっています。...この世界には必ず運命の人がいるって」
私にとっての運命の人は、きっと圭吾さんだって信じている。
「...そっか。櫻田さんはその運命の人にもう出逢ってしまったんですね」
「......はい」
うん...。恥ずかしいけど正解だもの。もう私は出会ってしまった。
圭吾さんに。
「大杉君にも早くそんな人が現れるといいんだけどね。...あぁ見えてメンタル面が弱い部分もあるから
「副社長が、ですか?」
メンタル面が弱い?あの副社長が?
「あはは。信じられないかい?...意外と脆くて寂しがり屋なんだ。まぁ、男なんてみんなそんなもんさ」
「寂しがり屋、ですか...」
ちょっと信じられないけど、昔圭吾さんが言っていた言葉を思い出す。



