君が好き。2~大好きな彼と結婚する方法~

「…まだ終わらないのかしら」

さっきから気になってしまうのは時間。副社長に頼まれていた資料の作成やお店のリサーチをしながらも、つい気になってしまっている。
だって朝一で始まったはずの会議なのに、時刻はすでにお昼近く。

いつも長引く会議は、めんどくさがりの副社長がうまくまとめて早く終わらせてくるのに…。

「…なにかあった?」

もしかして、圭吾さんのこと…じゃないわよね?

いやいや、役員会議で圭吾さんの人事についてこんな時間になるまで話し合いされるわけないわよね。

そんなことを考えていた時、ドアが開かれる音が聞こえてきた。

「あっ...!」

それはもちろん副社長で、今日はじめて見る副社長の姿に、思わず立ち上がってしまった。

「やぁ、櫻田さん」

私に気付くと副社長はいつもと同じ笑顔で近づいてくる。

「あの、副社長すみませんでした。今朝は...」

からかれる前に謝ってしまおう。
そう思い頭を下げるが、吹き抜けていく風。

「別に気にしてなんかないよ?それよりちょっと集中して仕事したいから、俺が出てくるまで部屋には入ってこないでね」

その風は人が通り抜けた後の風で、顔を上げると既に副社長は部屋のドアの前。

「よろしく頼むよ、櫻田さん」

「...はい」

いつもと変わらない副社長。
笑顔で私に微笑むと、そのまま副社長室へと入っていった。

...なんだろう、この感じ。
違和感を感じるのは私だけ?

だって...。

今朝のレモンティー、長引く会議。
いつものにこにこ笑顔、私をからかわない副社長...。


「まさか...」

半信半疑のまま副社長室へと向かう。

きっとノックして入ったら、忙しいから後にしてって言って入れてくれないかもしれない。
なら方法はただひとつ!
強行突破あるのみよ!!

一息つき、ドアをノックすることなく勢いよく開ける。

「副社長、失礼します!」