君が好き。2~大好きな彼と結婚する方法~

「結婚考えてる人なんですよね?なのにさん付けで呼んでいるってことは年上なんですか?」

「…そうよ」

とにかくさっさとここを出て早く圭吾さんからのメールを見よう。そう思い帰る準備を進める。

「いいですね、ラブラブそうで。同じ会社の人ですか?私も知ってます?」

どうやら一言答えてしまったのが不味かったのか、中山さんの好奇心に火をつけてしまったようだ。

「悪いけどそれは個人情報だから答えられないわ。お先に」

「えぇ!ずるくないですかぁ?櫻田さんは私の好きな人知ってるくせに!」

諦めきれないのか、更衣室を出た私の後を追いかけてくる。

「ずるくないでしょ?それに私から中山さんの好きな人聞いたわけじゃないじゃない」

むしろ迷惑をかけられたんだけど!…とは言えないけど。

「別に隠すことないじゃないですか。…そんなに隠すってことはバレたら不味いような相手なんですか?」

エントランスの階段を降りているとき、中山さんがそんなことを言うものだから階段途中で私の足は止まっていまった。

「なっ…そんなわけないでしょ!?」

「その動揺っぷり…!やっぱりあの噂は本当なんですか?」

うっ、噂!?まさか私と圭吾さんの噂なんて広まっいるの?

そんな私にじりじりと詰め寄る中山さん。そして誰にも聞こえないよう私の耳元でそっと囁いた。


「秘書課のごく一部の間でですけど、櫻田さんと副社長が婚約しているんじゃないかって」

「……はぁ!?ちょっとなによそのありえなさすぎる噂は!!」

「ちょっ!櫻田さん!声が大きいですよ」

あまりにありえなさすぎる話に、思わず大きな声が出てしまった。
定時を過ぎた今、周囲には沢山の人がおり、一気に注目を浴びてしまう。

「…どこの誰がそんなくだらないこと言ってるのよ」

咳払いをし、今度はそっと囁く。

「噂がたっても仕方ないと思いますよ?あの気難しい副社長の秘書が務まってるし、何よりその薬指の指輪ですよ」

そう言うと中山さんは私の指輪を指さす。

「最初からその指輪、つけてますよね?副社長の彼女だから前例のない出戻りも許されて、いきなり副社長秘書を任されたんじゃないかって」

「そんな無理矢理なっ…!」