夏の空の下

亜紀が見えない向こう側で身を乗り出すようにして聞いたのが分かる。




いつもみたいに、目をキラキラさせて、話を待っている姿が浮かぶ。




思わず笑みがこぼれる。




『なに笑ってるのー!はやくはやく』




駄々をこねるみたいに催促する亜紀に、今朝のことを話した。




別に、どうってことない出来事なんだけど。




でも、一度は会ってみたいなって、亜紀にはずっと言っていたから。




『ついに会えたんだね!よかったね!』




「...会っただけだけどね」