「車はどんどん近づいてきて、手を伸ばせば触れられるところまで来たんだ。そん時に............」
そこまで言えば、大体予想つく。
「いつの間にか俺の方に走ってきた兄ちゃんが、俺を押しのけて...........そのままどーんって.........」
あはっと力なく話を終わらせる。
さっき会ったばかりの奴なのに、しかもこんな重たい話なのに。
なんでだろうか。
俺の心は、コイツと同じような、悲しみで満ちていた。
「..........それ以来さ、頭撫でられると兄ちゃんとかぶって、ね。」
もっと撫でてもらいたくなるんだ
そう言った晴人の目に浮かぶのは、先程みた涙だった。

