「.............わーったよ。」
礼すればいいんだろ、すれば。
「あ、でも今日は帰るんだよねー?」
「うん。でもお礼とかいらないから。」
肩にカバンをかけ、既に支度を終えていた小路は、
「あ、そうだ。」
カバンから何かを取り出す。
「これ、頑張ったご褒美。」
その何かを俺に投げ渡す。
「オレンジジュース..........?」
パックのオレンジジュースだった。
「テストお疲れ様。じゃあね。」
小路は小さな笑みをこぼして、教室から出て行った。
「いいなー、七瀬。俺にも一口ちょうだーい♪」
小路の出て行った扉を、じぃっと見つめる俺。
今の笑顔に、とくん、と胸をうった。
.............やっぱり変だ。
小路を見てると、胸が熱くなる。
晴人に相談しなきゃな。