それから、全ての教科でテストが返された。






「数学92点、国語89点、英語93点、現代社会80点、化学81点。うん、よくできてるね。」





放課後、教室に残った俺は、返されたテストを小路に見せていた。



いや、強制的に見せられた。







「ホント、すげーよな。どったらこんな点数取れるんだよ。」







そのな中で、机の上にドカッと座る晴人。




何故かコイツまで残っていた。







「戸部君は勉強しないからでしょ。」





「そういう小路も勉強してないんでしょー?不思議だよねー、同じやってない者同士、脳みその出来が違うなんて。」







晴人は頭の後ろで手を組む。







「ま、とりあえず留年はまぬがれてよかったね。」





「..............どーも。」







にこりと微笑みを向けられ、俺はそっぽを向く。







あ、そういえば...........








「晴人、話あんだけど............家来るか?」





「え、何々?チョー聞きたい!」







キラッキラな眼差しを向けられる。



いや、そんな期待するような話じゃねえんだけどよ。








「小路も行こうよー!!」





.......は?


何言ってんだ、この野郎。




つーか俺の家に来んだから、てめーが決めんなよ。







「おい、晴人...........」





「ごめんね。もう帰らなくちゃいけないの。」





小路は眉を下げて、笑う。







「えー、なんで?勉強教えたんだからさー、七瀬にお礼してもらわなくちゃ!!」





「は?」





「当然でしょ?小路が手伝ってくれたから、ここまでいい点数取れたんだよ?お礼しないなんて、しないよね?」






にやりと笑みを浮かべる晴人。




コイツ、何か企んでやがるな........