バス停に付けば、既に到着していたバス。
小路は、ゆったりとした足取りでバスに乗り込む。
「ありがと。」
「................じゃな。」
「気をつけて。」
締まる扉の音に重ねて、小路は右腕をゆさゆさと振る。
俺はそれに応えることはなく、家路についた。
「.........」
それから家に着き、そのままリビングに足を運んだ。
「............ただいまの一言ぐらい言いなさいよ。」
何も言わず帰宅した俺に、文句をつけるこの女。
正真正銘、俺の母親だ。
「...........」
文句を言われようが、それでも俺は何も言わない。
言ってたまるか、クソババア。
「全く.........そんな子に育てた覚えわないのに。どうしてこうなっちゃったのかしら。」
なりたくてなったんじゃねえっつの。
肩にかけていたカバンをソファに投げつけ、台所に向かう。
母親はそんな俺をみて、深くため息をこぼす。
「はあ...........」
「..............何だよ。言いたいことあんなら言えよ。」
棚からコップをとり、お茶を入れる。
「...........アンタに望みなんかないわ。」
お茶を入れる手を止める。
.................ムカつく。
「............ああ、そうかよ。」
コップを持つ手に力をいれ、勢いよくお茶を飲み干す。
「こっちだって、望まれたかねーんだよ。」
「...........何よ、その態度は。ここまで育ててきた親にそんな事言っていいと思ってるの!?」
「望みなんかねえんだろ?だったら言ってもいいじゃねえか。」
それだけ言って、リビングを出た。
あー.......
胸くそ悪ィ。

