「で、城木君は何が苦手科目なの?」





夕日が差し込んで、オレンジ色に染まる教室。



小路は窓側の机に腰を下ろし、そう言った。







「..............全部。」





「そんな感じ。」





俺の返答に、バカにしたような物言いの小路は、小さな笑みをこぼす。




コイツ、また俺を馬鹿にしやがった。


ムカつく野郎だ。







「ま、わかったよ。それなら明日からはビシバシ教えていくよ。」





放課後から3時間は勉強ね、



と、言葉を繋ぐ小路に、俺は渋々頷く。







つーか俺って一応、不良の一貫だよな。


何でこんな素直に頷いてんだ。




そもそも不良は勉強自体しねえだろうに。



いや、まあ、する奴もいるけども。









「じゃ、帰るから。明日からはサボらず毎日来るんだよ。」







ぼけっと突っ立ってる俺を残し、小路はそれだけ言って、帰ってしまった。








「...............俺も帰るか。」






今日は一段と疲れたわ。











何もしてないけど。