「なんだかなー.........城木君は、ちゃんとその人を見てくれたりしそうなんだよね。」
「.........ほー。そんなに俺が良い人に見えるってか。」
「うん。」
屈託のない笑みを浮かべる小路に、俺は目を見開く。
今までに、良い人、なんて言われたことがない。
................嬉しい。
ていうか、俺ってこんな単純だったか?
「不良って言われてるし、まあ、見た目もそんな感じだけどさ。案外、話してみると実際そんな感じしないし、ただの野郎って感じ。」
ただの野郎で悪かったな。
俺だって最初はこんなグレてなかったんだよ。
もっと普通に人生楽しんでたわ。
「あ。そういえばさ、何で学校来ないの?」
「ただの野郎だから。」
「え、何。気にしてるの?」
ええ、そうです。
なんせ初めてそう言われたもんでね。
少しばかり気にするんですわ。
「意外と子供っぽいね、城木君。」
「ただの野郎だからな。」
「もうそのネタ、引きずらないでよ。」
クスクスと笑い、俺の肩をバシッと叩く。
ホント、俺にこんな事してくる奴なんて初めてだ。
そのせいなのか、
「そろそろ戻ろうかな。制服も乾いたでしょうに。」
「...........あぁ。」
俺のお気に入りの奴になってたり。
「城木君は帰るの?」
「.............教室行く。ここに来た意味ねえかんな。」
それに加えて、
「ははッ。そうだね。」
またお前と話したい、なんて思ったりもした。
こんなの、俺の柄じゃねえのにな。

