腰に回された腕に背筋がゾッとする。


連れの男性も同じ様な人で、お姉さんにベタベタ触りながら楽しそうに喋ってる。


お姉さんの笑顔を見習わなきゃ……。



「お名前何て仰るんですか?」

「俺の事は春馬って呼べ」



このずんぐりむっくりで春馬(はるま)!?


完璧名前負けしてる。


可哀想に……。



「おい莉乃、番号教えろ」

「は、はい」



イヤイヤイヤイヤァァァ〜!!


あんたの番号なんて知りたくなぁいぃ〜!!


泣く泣く客と番号交換した。


またいらない番号が一つ増えた……。


仕事用の携帯だし、まっ、いっか。


太腿もをいやらしい手付きで撫でられ、私は春馬さんの手を握った。


眉間にシワを寄せて凄まれたが、私はニコッと笑った。



「手を繋ぐの好きなんです。 なんか安心しません?」

「お前可愛いな」



えっ!?


ちょちょちょっ……ノォォォォ!!


チュッと手の甲にキスされ、今直ぐにでもぶん殴ってやりたい衝動に駆られた。


なんなの!?


そのドヤ顔!!


キモさしかない。


トイレに行ったら石鹸で手を洗おう。