魅惑の果実

半端ない違和感に思わず謝りそうになる。



「いつから居たの?」

「ついさっきだ」

「コーヒー飲む?」

「あぁ」



政臣のところにある高級コーヒーじゃないけど、飲むよね?


インスタントコーヒーを入れ、マグカップを政臣に渡した。


政臣の隣に座って、私もコーヒーを一口飲んだ。


こんなに狭いソファーに二人で並んで座ったの初めて。


妙に近くて今更ながらドキドキする。



「店は辞めたそうだな」

「あーうん。 流石に政臣のお店で働くのはねぇ……と、思って。 飯田店長も気まづそうだったしさ」



飯田店長に話に行くと、申し訳ないくらい畏まられた。


大雅さんから私と政臣の関係を聞いた様だ。



「ホテル経営してるっていうのは翔に聞いてたけど、夜のお店も経営してたんだね」

「あぁ、あとはバーを経営している。 表向きはな」



表向きはって……裏では何してんの?


気になるけど聞いたら後悔しそうだから止めておこう。



「おかぁさん……」



目を擦りながら帝がリビングに入ってきた。