魅惑の果実

……ん……あ、私……寝ちゃったんだ……。


まだ具合悪そうだけど、ぐっすり眠っている帝を見てホッとした。


あれ?


もうお昼過ぎてる……。


ちょっとお腹空いたかも。


昨日のカレー温めて食べようかな。


帝は起きたらお粥作ってあげればいいよね?



「ふぁ〜〜」



リビングに向かいながら思わず大きな欠伸が出た。



「疲れているんじゃないのか?」



……え?


嘘……な、何で!?



「政臣!? え!? 何でここに!? てか鍵かかってたよね!?」



政臣のマンションみたいにガチガチのセキュリティーはないけど、一応オートロックついてるよ!?


しかも合鍵渡してないんだけど……。



「俺に手に入れられないものはない」



うちだからいいものの、これ他所でやったら犯罪だよ?


こんな事政臣に言っても聞く耳持たないだろうけどさ。


それにしても、うちのソファーに政臣が座ってるなんて……なんか変。



「何だ?」

「こういう部屋似合わないね」



やっぱり政臣には庶民的なものは似合わない。


高級なスーツや車、そして家。


それらに囲まれている時の方が自然に見える。