魅惑の果実

夕食は家族三人でってことになってたけど、これじゃ無理だな。


仕事で忙しい人だし、帝の風邪移すわけにもいかない。


_プルルルル……。


土曜日だけど、今日も仕事してんのかな?


相変わらずの仕事人間なんだろうなぁ。



「はい」

「あ、政臣? 今電話平気?」

「あぁ、どうした?」

「実は帝が熱出しちゃって、今日の食事無理そうなの。 また日を改めてでもいいかな?」

「そうか、分かった。 ずっと家にいるのか?」

「あ、うん」

「お前まで風邪をひくなよ」



そう言うと政臣は電話を切ってしまった。


こういうところも相変わらず。


まぁ私も、声が聞けただけでも幸せとか思っちゃってるんですけどね。


寝室に戻ってベッドに肘をついた。


頬杖つきながら帝の寝顔を眺めた。


今更ながら私と政臣の子なんだなぁって思う。


この子は将来どんな子になるのかな?


危ない事はしてほしくないけど、政臣に似てくれたら嬉しいなぁって思う。