魅惑の果実

フォークで苺をツンツン突いている帝をギュッと抱きしめた。


どうしてこの子はこんなに可愛いの!?



「お父さんも喜んでお祝いしてくれるよ!」

「本当?」



こんなモジモジした帝は見たことない。


やっぱり男親も必要なんだね。


帝だけじゃない。


私にだって必要な存在。



「本当だよ。 みんなで仲良くなれたらお母さん嬉しいな」

「僕も……僕も嬉しい」



我慢をしていない時の素直な笑顔。


こうやって感情を圧し殺さないで済むようにしてあげたい。



「きっと直ぐに仲良くなれるよ。 家族だもん」



二人で顔を見合わせて笑った。


苺をパクパク食べて、二人でドタバタとお風呂の時間。


狭いバスタブに浸かって、水鉄砲で撃ち合い。


思っていた以上に嬉しくなっていた私は、帝に負けないくらいはしゃいでしまった。


お風呂から上がった時にはもうクタクタで、思わず笑ってしまった。


三人が揃うなんてあり得ないと思ってた。


何だか信じられない。


帝が眠ったら政臣に電話を掛けよう。


喜んでくれたらいいな。