久しぶりで恥ずかしいとか緊張するとか、そんな気持ちは少しもなかった。


シーツの擦れる音。


お互いの息づかい。


汗ばむ肌。


感じるもの全てが愛しくて幸せ。


重ねられた手。


絡まる指。


見上げる先には大好きな人。


心と身体、両方が幸福感で満たされていく。



「美月っ、お前が好きだ。 もう何処にも行くなっ」

「私もっ、大、好きっっ……ずっと居る、此処に……っ、桐生さんと一緒にいるっ」



激しく揺れ動く体。


会えなかった分を早く早くと取り戻すかの様に、お互いを何度も執拗に求めあった。


こんな事を思うのはおかしいかもしれない。


けど今ようやくお互いの心が通じ合った様な気がした。


素直にただ本能のままに気持ちを伝えられたかもしれない。


唇を重ね、体を重ね、心を重ね……愛する人と重なり合う事はこんなにも幸せなんだと、今更ながら感じた。


またこの幸せを感じられるなんて夢の様。


ずっとこの幸せを感じていたい。


もう、手放すなんて出来ない。



「大好き……っ」



言葉と一緒に流れる涙。


高ぶる感情は熱が冷めるまで鎮まる事はなかった。