久しぶりに訪れた桐生さんのマンション。


最後に訪れた時の事を思い出した。


コンシェルジュの人はみんな知らない人になっていた。


ずっと繋がれた手。


これは夢かもって思う度、手から伝わる温もりがこれは現実なんだと思わせてくれる。



「んっ、きりゅ……っ、さ……っっ」



部屋に入り、玄関のドアが閉まった途端、壁に押し付けられキスの嵐。


首筋を這う唇。


ワンピースの中に入ってきた男らしい大きな手。


だけど繊細な指先。



「あっ、待って! シャワー浴びっ、んっ……」



口を塞がれ、激しいキス。


こんなにも情熱的で、感情任せの桐生さんを初めて見る。


桐生さんの指先は私の気持ち良いところを的確に触り当てる。


溢れる息も声も気にならないくらい、私の体も桐生さんを欲しがってる。


唇が離れ、私の唇を桐生さんの親指が拭った。


私も怪しく光る桐生さんの唇にそっと触れた。



「今すぐお前が欲しい」

「私も桐生さんが欲しいよ」



抱き上げられ、ギュッと桐生さんの首にしがみついた。


もうこの温もりと香りだけでどうにかなってしまいそう。


心も身体もおかしくなっちゃいそうだよ。