魅惑の果実

頬が熱い。


久しぶりに交わした言葉は色気なんて微塵もなかった。


それでも今感じている胸の痛みは本物で、それは変わらず愛がまだあるのだと改めて教えてくれた。



「桐生に本当の事を話せ」

「え……?」



大雅さんは今までに見た事がないくらい真剣な顔をしていた。


本当の事って……。


答えを求めるように美香ちゃんに視線を向けた。



「俺が勝手に調べた」

「調べたって……何を、ですか?」

「桐生に頼まれたわけじゃない。 ただ俺の好奇心だ」



ちょっと待って。


じゃあ帝の事とかも知ってるって事?


まさか……。



「桐生さんには!?」

「安心しろ、あいつには何も話してねぇよ。 あいつは何も知らない。 だから今日ここに美月ちゃんが居る事に内心驚いてただろうな」

「でも、オーナーって……私が此処に居るって知ってたんじゃ……」

「店でキャストの素性は調べるが、怪しいところがなければあいつには話はいかねぇよ」