魅惑の果実

「失礼致します」



美香ちゃんの隣に座っている男性……見た事のある風貌にとにかく驚いた。



「阿久津先輩、本当に他に女性をつけなくていいんですか?」

「あーいいの、いいの。 美月ちゃんだけで十分」



頭が真っ白。


っというか、軽くパニック。


手汗もヤバイ。



「美月? 大丈夫?」

「へ? あ、だ、大丈夫!」



美香ちゃんに声を掛けられてハッとした。


完璧フリーズしてた。



「紹介するね。 私の会社の社長の阿久津さん。元々このクラブで働いてる時に知り合って、今お世話になってるの。 社長、この子が前からお話していた……」

「ぶっ! あはははっ、もう無理!! 腹いてぇ〜!!」

「社長!?」

「阿久津先輩!?」

「だって美月ちゃんの顔! ぶはっ、は、鳩が豆鉄砲食ったみてぇな顔してんだもんよ!! あははっ!!」

「そりゃそうなりますよ!! ってか笑いすぎです!! もうっ、大雅さん!!」



久しぶりに再会した大雅さんは昔と変わらず男前で、軽そうな感じも変わっていない。


まさか職業弁護士だなんて……人は見かけによらないな。