「私のせいで健人と別れて欲しくなかったから、事情話していいよって言ったの。 健人にも秘密を押し付けて悪い事しちゃったけどね」



健人に帝を任せ、話に割って入った。


私のせいで明日香にまで悲しい思いをしてほしくなかった。


それに、こんなに健人の事一途に想ってるのに、勘違いされたままも嫌だった。



「もし会社で会わなかったら、俺にはずっと内緒でいるつもりだったの?」

「そうだよ。 翔は桐生さんに近いから……」

「そう思うなら、ずっと隠した方が良かったんじゃないの? 俺、話しちゃうかもよ?」

「翔はそんな事しないよ」

「何で言い切れんの? そんなの分かんないじゃん」

「翔は優しいから、私が……友達が嫌がる事はしないよ」



笑って言うと、翔は真剣な顔から呆れた顔になりため息をついた。


いつも翔のワガママに甘えてきた……今思えば、そう思う。



「今は言わない……今は!ね」

「ありがとう」

「花火の続きやろ!」



翔はそう言うと帝と健人のところへ走って行ってしまった。


その後ろ姿を私と明日香は笑いながら見ていた。



「み〜か〜どぉ〜〜!! 俺の事も構ってよぉ〜」



基本人見知りのない帝は既に翔とも打ち解け、男三人で大はしゃぎ。


たまにはこうして騒ぐのも楽しいな。


今日はそう思えた一日だった。