魅惑の果実

周りの視線が痛い。



「ちょっと!! ショウと知り合いなの!?」



戻ってきた伶奈に体を揺さ振られた。


こんなに興奮している伶奈は初めて見る。



「高校の時の友達」

「そうなの!? 初耳!! ショウが友達とか凄すぎる!! 羨ましい〜〜!!」

「羨ましいって……別にファンじゃないでしょ?」

「ファンじゃないけど、普通にカッコイイって思うし、好き」

「とにかく戻ろう。 昼休み終わっちゃう」



早くこの場から逃げたい。


この状況、健人のバスケの試合の応援に行った時のことを思い出す。



「今度ショウの話し聞かせてよね!」

「聞かせる程知らないよ?」

「それでも、直に知ってる人から話し聞けるってちょーレア!!」



伶奈にこんなミーハーな一面があるなんて知らなかった。


始業五分前の音楽が鳴り、私たちは慌てて仕事に戻った。


噂が広まるのはあっという間で、その日はやたらとショウとの事をいろんな人から聞かれ、いつも以上に疲れる羽目になった。