咲さんと別れてすぐに仕事に戻ったが、全く集中出来ず、凡ミス連発。


イライラするし落ち込むし、本当に最悪。


自業自得ではあるけど、ミスのせいで仕事を何度もやり直し、いつもより会社を出る時間が遅くなってしまった。


駅から保育園まで全速力で走った。


保育園に着くと当然ながら静かで、外で遊んでいる子は一人もいない。



「帝っ!!」

「おかぁさん!!」



パァっと笑顔になった帝の顔を見て疲れが吹っ飛んだ。


駆け寄ってきた帝を抱きしめた。



「遅くなってごめんね」

「センセーが絵本読んでくれたんだ!」

「そう、良かったね」



頭を撫でると嬉しそうに笑う帝。


私の天使だ。



「先生、いつもすみません」

「いいえ、大丈夫ですよ。 帝君もとっても良い子ですし、私も一緒に楽しんでますから」



いつも延長保育で、こうして帝が最後になる事がたまにある。


ここの保育園は先生もみんな良い先生で、此処に通わせられて良かったと思う。



「帝、帰ろう」

「うん! センセーまた明日ぁ〜!!」

「はぁい、また明日ね!!」



元気よく先生に挨拶をした帝と手を繋ぎ、保育園を後にした。