広々とした社員食堂。


どれも驚くほど安い。



「営業の中山さんとはどうなのよぉ?」

「どうって……何にもないよ」

「嘘でしょ? 中山さんから何も言われたりしてないの?」

「言われるわけないでしょ」



営業の中山さんとは社内の飲み会で知り合って以来、社内で会えば普通に話をしている。


けど私はただの同僚としか思ってないし、中山さんもそうだと思う。



「だってさ、中山さん絶対美月に気があるって」

「そんな事ありません。 伶奈こそどうなのよ。 イイ感じの人いるって言ってなかった?」

「あーあの人ね、あれナシナシ。 会う度ヤリもく見え見えでもういいわって感じ」



伶奈は見た目が派手だから軽そうに見られる。


でも本当は恋愛に対して真面目で慎重。


見た目を変えてみたら?と言ったら、無理矢理自分を変えてまで男はいらないと言われた。


それもそうかと納得。



「今日飲み会行ってくる」

「今度こそ良い人いればいいね」

「居たらそっから広げるから、その時は美月も参加だからね」

「まぁ、行けたらね」



伶奈とのランチはいつもあっという間に終わってしまう。


つい話が弾んでしまうから。