美羽は腕を掴んで離してくれない。



「私と関わってる事がお父さん達に暴露たら美羽まで怒られる」

「お父さん達は関係ない! もう姉妹じゃないっていうならそれでもいい……それなら友達になりたい……」



美羽……。



「何でそこまで……私はそんな風に言って貰えるような人間じゃない」

「小学校の頃、私がいつも男の子達にからかわれてた事覚えてる?」

「そんな昔の事……」



そういえば今よりもおとなしかった美羽は、よく男の子達に虐められていた。


そんな昔の事なんて言われるまで忘れてた。



「お姉ちゃんが男の子達を懲らしめてくれて、それから虐められなくなったんだよ?」

「ホースで水ぶっ掛けて撃退したんだっけ?」

「まだ肌寒い時期でみんなブルブル震えながら走って逃げて行ったよね」



こんな昔の事で美羽と笑いあう日が来るなんて自分でもビックリ。


虐められっぱなしの美羽を見ていつも苛ついてた。


それで、いてもたってもいられなくて、男の子達に水をぶっ掛けた。