焦り顔の店長に隣で目をキラキラさせてる瑠璃ちゃん。


何この誤魔化せない雰囲気……。



「……付き合ってます」

「マジかよ……そうだろうなとは思ったけど、お前の口からハッキリとは聞きたくなかった……」



キャッシャーのカウンターに項垂れる店長。


何て言っていいかわからなくて、顔が引きつる。



「噂は聞いてたけど、まさかお前だったとはな」

「噂って何ですか?」

「大事にしてる女がいて、マンションに囲ってるって話だよ」



マンションに囲ってるって……囲われた覚えないんですけど……。


噂って話大きくなるよね。



「マンションには行きますけど、囲われてないです。 生活の面倒も見てもらってないですし、そんな噂真に受けないで下さい」



馬鹿馬鹿しい。


早く着替えよう。



「莉乃ちゃんは彼に愛されてるよね」



控え室に向かっているとそんな事を言われ、思わず立ち止まった。


瑠璃ちゃんはクスクス笑っている。



「あの時怒ってたけど、莉乃ちゃんを見る瞳は凄く優しかったから、大事にされてるんだろうなって思ったよ?」

「……ありがとう」



何に対してのお礼かは分からなかったけど、気付けばその言葉が口から溢れていた。


素直に嬉しかったからかもしれない。