魅惑の果実

「これは?」

「く、クリスマスプレゼント……」



聞かなくても分かってるクセに……っ!!


目に溜まった涙を拭った。


プレゼントを開けてる桐生さんの顔を見ていたいから。


大人だし、欲しいものは自分で買える人だし、正直少し不安。


喜んでもらえなかったどうしよう……。


そんな私の不安を他所に、プレゼントの中身を見た桐生さんはほんの少し微笑んだ。



「大切に使う」

「う、うん!!」



革製のブックカバーだけだと何だか味気なくて、仕事の時に使えるようなペンも一緒にプレゼントした。


男の人が好むようなペンってよく分かんないけど、桐生さんの事を想いながら選んだ。



「美月」

「え?」

「これはお前に……」



差し出された真っ赤な小さな箱。


思わず言葉を失った。


プレゼントを渡す事で頭の中いっぱいで、まさか貰えるとは思っていなかった。



「いらないのか?」

「いる!!」



プレゼントを受けると、手が震えた。


嬉しい時も人って震えるんだね。


震える指でリボンを解き、箱を開けると、ダイヤモンドが付いた指輪が姿を現した。