魅惑の果実

クルージングを終えて次に連れてこられた場所は、リゾートホテルの一室だった。


青く透き通る海を一望できる、解放感溢れる部屋。


あまりの美しさに見惚れてしまった。


_グゥゥゥ〜〜。


ぎゃっ!!


お腹が……こんな素敵な部屋で恥ずかしい……。



「そういえば今日はまだ何も食べていなかったな」



桐生さんに後ろから抱きしめられ、頷いた。


このロケーションと甘いシチュエーション……美味しい状況にも関わらず、またお腹が鳴ってしまいそうで気が気じゃなかった。


いつもならたいして気にしないけど、今はちょっと恥ずかしい。



「何が食べたい?」

「えっと……任せる」

「そうか。 ならルームサービスで適当に持ってきてもらうとしよう」

「うん」



桐生さんは私から離れると、室内に置いてある電話機の受話器を持ち上げた。


私は外にぶら下がっているハンモックチェアに恐る恐る座ってみた。


な何これ……不思議な感じ。


でも落ち着くというか何というか、癖になりそう。