魅惑の果実

桐生さんが眠そうにしてるところって見た事ないかも。



「コーヒーありがと。 着替えてくる」

「今日は動きやすい服装にしろ」

「? 分かった……」



動きやすい服装……室内じゃなくて屋外に用があるのかな?


言われた通りパンツにすればいっか。


君の毛を巻く時間は無さそうなので、着替えて直ぐに化粧をした。


冬休み中に髪の毛黒くしなきゃ。


ウィッグともおさらばだな。


準備を終えてコートを着てリビングに戻ると、桐生さんがソファーから立ち上がった。


Vネックのニットから見える首筋。


服の上からでも分かる引き締まった身体。


見ているだけでウズウズするこの感覚はきっとムラムラしてるって言うんだろうな……。



「ボーッとしてどうした?」

「あ、ううん! 何でもない!」



ついムラムラしちゃいましたなんて言えないー……。


桐生さんは特に気にした様子もなく、ラックに掛けてあるコートを羽織った。


二人で家を出て車に乗り込む時には、スッカリ眠気は吹き飛んでいた。