酷いお酒の飲み方をした上に酷い量を飲んだ。


当然ながら頭はまだちゃんと働かない。


まともに真っ直ぐ歩く事も出来ない。


そんな私は桐生さんに腰を抱かれ、やっとの思いで部屋までたどり着いた。


リビングのソファーに座って項垂れた。



「私はこれで失礼致します」

「あぁ」

「は、蓮見さんっ! ありがとうございました」



ここまで荷物を運んでくれた蓮見さんにお礼を言うと、彼は静かに頭を下げてリビングを出て行った。


いつもながら綺麗な所作。



「水を飲め」



ペットボトルを受け取り口をつけた。


意外と喉が渇いていたのか、すごい勢いで水が減っていく。



「ぷはっ……」



半分も飲んじゃった……お腹タポタポ。


ペットボトルをテーブルの上に置き、ソファーの背もたれに背中を埋めた。



「それで? 俺に言う事はないのか」

「……あるよ、たくさんある……写真の女の人誰? 咲さんの気持ちだって気付いてるんでしょ? 私はこのまま側にいてもいいの?」



胸に溜め込んでた言葉が一気に溢れ出た。


言いたい事は言えたけど、流石に顔は見れなかった。