魅惑の果実

誠治とは方向が違う為、お店を出て直ぐに別れた。


寮の門限までまだ時間あるし、少しぷらっとして帰るかなぁ。


そんな事を考えながら歩いてると、私のスピードに合わせるかのように、車がノロノロと横を走っているのに気付いた。


な、何!?


運転席をチラッとみるが、知らない男の人が運転していた。


なんか危なそう……。



「やっぱ美月ちゃんじゃん!!」



車から視線を外し、さり気なく距離を取ろうとした時、声を掛けられ思わず立ち止まった。



「た、大雅さん!?」



てっきり危ない人が乗ってるのかと思った……。


いや、大雅さんもれっきとした危ない人かもしれない。


立ち止まった私の姿をマジマジと見ている大雅さん。


どっか変なところでもあるのかな!?


自分でも確認してみたが、特に変わったところはない。



「ってかさ、高校生だったんだね。 流石にビビった」

「っっ!?」



そ、そうだった……。


大雅さんは私が高校生だって知らないんだった。


こんなにバッチリ見られたんじゃもう誤魔化せない。