魅惑の果実

美羽とはパーティーでしょっちゅう顔を合わせてた筈なのに、突然何?


この短期間で何があったわけ?



「説明するの面倒臭いから端折るけど、所謂複雑な家庭なの。 美羽と普通に話するようになったのも最近だし……彼氏どころか友達関係も知らない」

「マジかよ……」

「急にどうしたの?」

「この前パーティーでゆっくり話す機会があってさ、それ以来、美羽ちゃんの事が気になってる」



真剣な顔してるし、本気なのかも。


力になりたいけど、本当に知らないんだよね……美羽の事。



「美羽の連絡先は知ってるの?」

「交換したよ。 ちょいちょい連絡取り合ってる」

「じゃあ自分で聞けばいいじゃん」

「今更聞けないよ……タイミング逃した」

「情けないなぁ。 タイミングとかそんなの関係ないから」



誠治は頭を抱えた。


何だか他人事に思えない。



「まぁ、そうだよね。 私も気持ち分かるよ」

「え?」

「相手が好きな人だと色々余計な事考えちゃうよね」



私だってそう。


桐生さんの事となると、思ってる事、考えてる事が上手く出てこない。