魅惑の果実

アイスティーにシロップを入れストローで混ぜながら、誠司を盗み見た。


なんだか落ち着かない様子。


テーブルに置いている手もソワソワしている。



「……どうしたの? 大丈夫?」

「あ、うん……」



またまた私たちのテーブルだけ静かになる。


誠司の言葉を待つべきか、急かすべきか……。


っっ……!?



「な、何!?」



視線を落としていた誠司が目線を上げ真剣な顔をした。


ビックリした。



「聞きたい事があるんだ」

「……何?」

「美羽ちゃんって彼氏いる?」

「……え?」

「え?じゃなくて!! いる!? いない!?」



あまりにも切羽詰まったような顔してるから、てっきりもっと重い悩みなのかと思ってたけど……なんか違ったみたい。



「ごめん、力になれないかも……」

「それっているって事!?」

「美羽とそういう話、したことないから私も知らないから……」

「え!? 姉妹で恋バナとかしないの!?」



ちゃんと話しするようになったのだって最近なのに、恋バナなんてするわけないじゃん。


私たちの事情を知らない誠司が知るわけないけどさ。