魅惑の果実

私たちはレストランを出て、明日香たちと合流した。


もう外は暗くて、寒くて、私の心みたいだった。


鞄の中のケータイから意識は離れなくて、震える度に心臓が飛び跳ねる。


そして相手を見る度落ち込んでしまう。


電話に出なかったのは私のくせに、勝手だよね。


気付けば私ばかりが桐生さんの事を追いかけてた。


好きだからそれでいいと思ってた。


だけどたまには追いかけてほしいって思う私はワガママなのかな?



「楽しかったねー!!」

「うん」



遊園地を出てからずっとテンションの高い明日香。


電車を降りて、寮迄の道のりもずっと笑顔だ。



「健人君がね、今度は二人でゆっくり会おうって言ってくれたんだっ」

「良かったじゃん。 ってか、早くくっついちゃいなよ」

「そんな簡単じゃないよぉ!!」



そんな事ないでしょ。


っと、思いながらも口には出せなかった。


明日香があまりにも必死で、可愛かったから。


なんか微笑ましいな。