「彼女といるのに他の女のところに飛んで行っちゃう……その心は……?」

「彼女と同じくらい、もしくはそれ以上に特別だから?」

「もぉ〜ヤダァァァ〜!!」

「うお!? 何? 何があったの!? 昨日帰ってきたと思ったら暗い顔してるは、直ぐ寝ちゃうしさぁ」



ざわつく食堂の机にデコをつけて項垂れる私に、困ったような声をかける明日香。


昨日は何も考えたくなくて、寮に帰るなりそっこう寝てしまった。



「昨日桐生さんと一緒にいたんだけどさ、咲さんから桐生さんに電話がかかってきて、電話切るなり咲さんのところに行っちゃったんだよね……」

「マジ!? 連絡は?」

「取ってない……メールも返ってこないし……嫌な考えしか浮かばない……」

「桐生さんの彼女は美月なんだし、あんま気にしなくていいんじゃん?」

「…………」



そう言われても、気にしないようにするなんて無理だよ。


連絡ないし、いい感じになっちゃったのかも……。


どうしよう。


桐生さんと連絡取るのが怖くなってきた。