魅惑の果実

車を走らせてから一時間以上が経つ。


常に車内が会話で盛り上がっているわけじゃないけど、凄く楽しい。


お日様の出ている時間に、二人で過ごすのは初めての事だから、それだけで私にとっては有意義な時間だった。



「あ! 海!!」



太陽の光に照らされて、キラキラ光っている青々とした海。


そういえば今年海水浴に行かなかったから、初海だ。


もしかして桐生さん……。



「約束覚えててくれたの?」

「当たり前だろう」

「ありがとうっ!!」



嬉しさのあまり、桐生さんの腕にギュッと抱きついた。


以前お店でちょっと話しただけなのに、覚えててくれてたなんて……ヤバイ!


嬉し過ぎる!!


こんなに甘やかされたら調子に乗っちゃいそうだよ。


でもまぁ、たまにサラッと冷たい事言われるし、こういう時くらい素直に甘えておこう。


それにしても、やることなすことイケメン過ぎるよ……桐生さんの手にかかれば落ちない女なんていないんじゃないんだろうか。


彼氏だからとか、贔屓目なしにそう思う。