魅惑の果実

準備を終えてリビングに行くと、桐生さんがソファーに座ってテレビを見ていた。



「ごめん、お待たせ」

「急な来客のせいで出るのが予定より遅くなったな」

「そうだね。 お腹すいたぁ〜」

「少し遠出するが、腹はもちそうか?」

「大丈夫だよ! 早く行こうっ!!」



手を握ると、桐生さんは微かに笑みを零した。


桐生さんも楽しみにしててくれたのかな?


そうだったらいいな。


マンションの車寄せに行くと、コンシェルジュと蓮見さんが車のところで待っていた。


私たちの姿を見ると、直ぐ様車のドアを開けてくれた。



「桐生様、おはようございます」

「あぁ」

「蓮見さん、おはようございます」



私が蓮見さんに挨拶している内に運転席に乗り込んだ桐生さん。


私は目が点になった。



「桐生さんが運転するの!? 蓮見さんは!?」

「蓮見は後ろからついてくる」

「へ……!?」



後ろを見ると確かに見慣れた黒塗りの車が止まっている。



「早く乗れ」



急かされ慌てて助手席に乗り込んだ。


助手席って緊張する!!