魅惑の果実

__コンコン。



「はぁ〜い」



部屋に入ってきたのは翔だった。


この部屋で翔と二人でいるって変な感じ。



「美月がいる……」

「何言ってんの。 私が居るの知ってて来たんでしょ?」



私も同じ気持ちだけどね。


さっき会ったのは本当に翔だったんだぁって感じ。



「そうだけど……未だに信じられない」

「ははっ、そうだね。 私も信じらんない。 漫画みたいな事ってあるんだね」

「本当だね。 ってか化粧しちゃったんだ? スッピンも可愛かったのに……」

「はいはい」



翔は口が上手い。


こういうことをサラッと言っちゃうんだもん。


こういうことを言われたら女の子はイチコロだろうな。


私も桐生さんが居なかったらもしかしたら……って思ってしまう。



「直ぐそうやってあしらう……本当の事なのにさぁ……」



背が高くてモデル体型の翔だけど、シュンと肩を落とす姿は子犬みたいに可愛らしい。


つい笑みがこぼれる。



「ありがとう」

「美月の笑った顔、大好き」

「はいはい、それもありがとう」

「あははっ、じゃあ俺たちもう帰るから、またね」

「うん、またね」