魅惑の果実

美羽の着ているワンピースも清楚なデザインのものだった。


おしとやかな雰囲気の美羽にはよく合っている。



「今日は何のパーティーか知ってる?」

「お父さんがお世話になってる先生が催すパーティーって言ってたよ」

「そうなんだ」



面倒臭そうなパーティー。


お父さんよりも偉い人がたくさん来るんだろうな。


だから家族揃って仲睦まじい姿を見せる必要があるのかもしれない。



「お姉ちゃん今日はお家にいられるんだよね?」

「ううん、パーティーが終わったら彼氏のところに行くから、家には戻らないよ」

「そっか……」



顔に影を落とす美羽。


表情がコロコロ変わるところは、私たちは似ているかもしれない。



「何で?」

「あ、あの……ゆっくりお話ができるかなって、思って……」



いくら私でも二人でゆっくり話が出来るほど、気持ちに余裕が出来たわけじゃない。


今そんなことをすれば、また美羽を傷付けてしまいそう。



「また今度ね」

「え……」

「今度ゆっくり話そう」

「うんっ」



その時までにもっと穏やかな気持ちで、美羽と向き合える様に頑張って成長しよう。