魅惑の果実

「誠治のお父さんと一緒って事は、美月のお父さんも政治家なの?」

「……うん」



何で休みの日に、しかもこんなところでお父さんの事を思い出さなきゃいけないのよ。


ムカムカする。



「美月ちゃんってパーティーにあんま出ないよね」

「……好きじゃないから」



ってか滅多に出ろなんて言われない。


大事なパーティーの時だけお父さんから連絡が入る。


世間体を保つ必要がある時だけ……。



「妹さんはよく出席してるよね。 美月ちゃんと妹さんは似てないけど、美人姉……」

「悪いけど、そういう話に興味ないから」



席を立って早足で一階に向かった。


誠治は私の家の事情なんて知らないのに、あんな態度取って感じ悪かったよね。


でも、我慢できなかった。


朝からのムカつきと苦しさがもう限界だった。



「美月!!」



腕を掴まれ足を止めた。


手首に熱を感じる。



「美月……」



翔は私の顔を見るなり驚いた顔をした。


きっと今酷い顔してる。